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◆最近急増している飲酒による男性の無精子症候群 |
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<無精子症とは?>
無精子症とは精液中に精子を認めない状態です。この場合は、精子がいないわけですから、通常では妊娠は得られません。
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◆女性に於いては、飲酒によって子供ができにくい状況に陥る。
国の機関(厚生労働省、その他)の調査報告においても、性ホルモンに障害が起きるおそれがあると認めている。これは大変重要、且つ、早期に取り組むべき問題と誰もが認識できます!
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●疑問??
この百害あって一利も無いたばこをはじめ、アルコール飲料が何故法律で守られ、私たち国民に与えられるているのでしょうか。また、現実に世界中で起きているトラブルには、アルコール飲料が大きく関与し、弱い立場の子供達や女性が犠牲になっている事実。そして、毎年飲酒による事件事故が多発している中、更には、飲酒運転による死者が増加傾向にある実態を改めて直視し、私たち大人が麻痺した意識を改め、模範となるべき時代に来ているのではではないでしょうか。以下にアルコール問題の真実をほんの一部ご紹介いたします。
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◆アルコールは発癌物質です。 |
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●タバコとがんの関係は常識ですが、アルコールも発癌物質だということをご存知でしょうか。食道がん、口腔がん (舌や口の中のがん)、大腸がんなどは特にアルコールとの関連が強いガンです。飲みながらタバコを吸えば、危険率は異常に高くなります。
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◆アルコールは脳を萎縮させ、痴呆の原因になります。 |
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●アルコール依存症では細胞が減ることによって脳が萎縮し、脳室が大きくなり、脳の周囲の脳溝という溝も大きくなっています。脳が萎縮すれば知能は低下し、痴呆になります。たくさん飲めば、たとえ若くても萎縮が進み、痴呆になります。
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◆アルコールは全身をむしばみます。 |
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●調査によると、日本の全入院患者の2割近くは、アルコールが原因か、またはアルコールで症状が悪化した人だということがわかっています。病室が6人部屋なら、その中のひとりはアルコールが関係しているということです。
体に入ったアルコールのほとんどは肝臓で分解されるため、飲みすぎの影響がもっとも出やすいのは肝臓です。肝臓はとても大切な、大きい臓器です。このため、少しくらいの障害ではなかなか自覚症状が出ないのが特徴です。健康診断で肝障害だと言われたら、たとえ症状が全然なくても油断してはいけません。
●アルコールにやられるのは肝臓だけではありません。むしろ、アルコールにやられない臓器はないと言っても過言ではありません。がん、糖尿病、膵炎、胃炎、潰瘍、末梢神経障害など、アルコール病はいくらでもあります。高血圧もお酒をやめるだけで直ることはよくあります。
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◆アルコール依存症は「否認の病気」です。 |
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●アルコール依存症の人が、自分はアルコール依存症とすぐに認めることはまずありません。「自分にはアルコールの問題はない。あったとしても自分の力でコントロールできる。」と考えるのがふつうです。ということを聞くと、たいていの人は納得します。ところが、自分がアルコール依存症であるなどとは考えの外にあり、アルコール依存症は自分とはまったく違った人種であるという意識を持つことがほとんどです。それが「否認の病気」と言われるゆえんです。
ちゃんと仕事をしているからアルコール依存症ではない、肝臓の検査結果が悪くないからアルコール依存症ではない、などと考えるのは誤りです。飲酒をコントロールできなくなるのがアルコール依存症です。「コントロールしようと思えばできる」と考えるのはやはり「否認の病気」の徴候です。仮にアルコールの問題を認めたとしても、「自分の問題はアルコールだけだ」と考えるのを「第二の否認」といいます。
●「否認の病気」にかかるのはアルコール依存症本人だけではありません。家族や同僚が、「あの人は酒飲みだがまさかアルコール依存症というほどではない」と考えるのも否認です。
こうした否認を乗り越え、アルコールに関する事実を直視することが必要です。
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◆アルコールはドラッグです。 |
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●ドラッグなしではいられない気持ちになることを精神依存、からだがドラッグなしではいられなくなることを身体依存といいます。ドラッグの量がどんどん増えていくことを耐性形成といいます。下の表のように、アルコールはこうした作用が強く、立派なドラッグです。アルコール依存症がお酒をやめられないのは意志の問題ではありません。ドラッグによる脳の障害の一種です。逆に言えば、意志が強いからといって自分のアルコールをコントロールできるとは限らないのです。
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高度 中等度 あり なし 不明
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精神依存 |
身体依存 |
耐性形成 |
ヘロイン |
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アルコール |
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コカイン |
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覚醒剤 |
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マリファナ |
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カート |
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LSD-25 |
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●WHO(世界保健機構)の発表を基に作成
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◆アルコールにからんだ事故で死ぬ人はたくさんいます。 |
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●アルコールにからんだ事故というと、まず頭に浮かぶのは飲酒運転だと思います。飲酒運転はもちろん大問題ですが、歩行中に車にはねられる人にも酔っ払った人が多いことは見逃されがちです。駅のホームを酔って歩いている人はよく見かけますが、ちょっと外側によろけて電車に接触すればまず死亡するのは目に見えています。
●酔って階段を踏み外した経験のある人はかなりいることでしょう。まさかそれで命を落とすとは思えないでしょうが、実際には東京都内で一年間に100人以上の人が酔って階段から転落して死亡しています。飲んで自宅の風呂で溺死するお年寄りもたくさんいます。
このような事故は、お酒を飲む人には誰にでも起こりうることです。アルコールの害は、アルコール依存症だけの問題ではなく、すべての人にかかわる社会問題なのです。
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◆退職後アルコール依存症になる人が増えています。 |
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●毎日しっかり仕事をし、毎晩しっかり飲む・・・これがひと昔前の「できる」サラリーマンの像だったかもしれません。こうした人たちがやがて定年を迎え、それまで生き甲斐であった仕事がなくなった途端にアルコール依存症になる人が増えています。というより、それまでも実はアルコール依存症になっていても、仕事が歯止めになって飲む時間が制限されていた、または多少飲んでも大目にみられていたというのが本当のところのようです。
退職後のアルコール問題はさらに大目に見られることも多いのですが、今度は歯止めがまったくなくなりアルコール依存症は急速に進行します。これからの長寿の時代では、退職はまだ人生の折り返し点です。せっかく自分のために使える時間をアルコールで台無しにしては悲惨です。●アルコールは脳を萎縮させ、ボケを促進することは証明されています。「酒は百薬の長」というのは、人生が50年以下だったころの古いことわざと思った方がいいでしょう。「お酒は百害あって一利なし」これが真実です。
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◆子どもの飲酒が増えています。 |
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●子どもの飲酒が増えている、と聞いても、自分も子どもの時から飲んでいたとか、子どもが大人の真似をしたがるのは成長の原動力であって当然と思う人が多いのではないでしょうか。
ところが、いまの子どもの飲酒の現状は昔とは全然違います。高校生では男女ともに4割以上がお酒を飲んでいる、と聞いてもやはり大部分の人は驚かないでしょうが、問題のひとつは飲むことの理由です。高校生がお酒を飲むのは大人の真似をしたいからという理由はむしろまれで、おいしいと思うから、という理由が半分を占めています。これは明らかにちょっと試しに飲むという範囲を越えています。
●悲しかったり、さびしかったり、つらかったりした時に飲む、という理由は、お酒をドラッグとして使っているということで、すでに依存症のはじまりであるとも言えます。事実、飲酒をきっかけに次の段階として覚醒剤などに手を出してしまう高校生が多いこともわかっています。
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◆アルコールによる国民全体の損害は莫大です。 |
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●日本で一年間にアルコールに関係した病気のために支払われている医療費は1兆円以上にのぼり、これは国民総医療費の約7%に相当します。
●アルコールに対して社会が払っているオカネは医療費だけではありません。事故、犯罪、生産性の低下など、すべてを合計すると6兆6千億円になると計算されています。酒税の総額は約2兆円ですから、国としてはその3倍以上を使って後始末をしていることになります。
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◆活性酸素にいついて・・・ |
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●体のサビ(老化)
人は酸素を吸い細胞のミトコンドリアでエネルギーを得て生きています。その過程で発生するのが「フリーラジカル」。よく聞く「活性酸素」は他の固体に極めて攻撃的になった酸素のことです。
●適量のフリーラジカルは殺菌作用があり有益ですが、多過ぎると鉄が錆びるように体を錆びさせてしまいます。抗加齢医学ではこの脅威を「酸化ストレス」と呼び老化を進める最大の危険因子と 考えている。
●フリーラジカルの発生源は精神的ストレスや飲酒、喫煙、食品添加物、農薬、排ガスなど様々。
そのものから放出されたり肝臓で代謝される際に発生し、放射線や紫外線からも出ます。
日焼けは健康的イメージがあるが、屋外で働く人は対策が必要です。
○これに対し、人には「抗酸化力」と呼ぶ防御の仕組みがある。一部の酵素や補酵素も抗酸化力を高める抗酸化物質。
◇フリーラジカルの発生量と抗酸化力のバランスが良いほど健康と言うわけです。
▲サプリメントより運動や食事重視を!
●酸化ストレスの程度は、酸化で傷ついた遺伝子などを調べて判定できます。
愛煙家やアルコール依存者、極端にやせた人、糖尿病の人は抗酸化力が不足しがちです。
先ずフリーラジカルの発生源から逃げるのが大事なことです。
禁煙・禁酒など地道な努力に加え、ストレス管理にも気を使いましょう。
適度の有酸素運動も有効です。「運動がフリーラジカルを増やす」との心配は無用。
軽いジョギングで発生するのは微量で逆に体内の抗酸化酵素を刺激し、抗酸化力が数日にわたり高まります。マラソンなど激しい運動は別で大量のフリーラジカルが発生する。(人が一呼吸するだけで、2%の毒性酸素が生まれると言われています)
●抗酸化物質を代表するビタミンA、C、Eは緑黄色野菜、海藻、果物で補給しましょう。やはり食事が基本!
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お酒をやめるために
全国の断酒会のご案内 http://www.dansyu-renmei.or.jp/ |
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◆沖縄アメシストの会事務局(県断酒連合会事務局内)大城、電話098(857)1513。
断酒と心の健康の回復を目指すため「支え合い」を誓った沖縄アメシストの会 |
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◆アルコール依存症の妻を持つ夫の会in関西 http://www.h2.dion.ne.jp/%7Etommyk/ |
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◆涙の谷 http://home.earthlink.net/~etsko/links.html |
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>>>>>>>>> お酒の害についての記事 <<<<<<<<< |
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●アルコール依存症怖さ訴える!/岡 八郎講演会 タイムス2004/9/3朝刊 |
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アルコール依存症ゴスペル歌手の娘さんと、アルコール依存症怖さ訴える!日本国を訴える切り札に、依存症家族を集い署名を集める。インターネット利用。国際弁護士を教会員採用!
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●アルコールの健康被害、たばこと同等 REUTERS 2005.2.4 |
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ストックホルム大学のロビン・ルーム教授は、ロイター通信とのインタビューで、死亡や障害につながるという意味において、アルコールの摂取はたばこや高血圧と同等の健康被害をもたらすとの見解を示した。
教授は、アルコールは口腔や肝臓、胸部のガン、心臓疾患、脳卒中、肝硬変など、60種以上の疾病に関連がある、と説明。そのほかアルコール摂取により、自動車事故や溺死、転倒、殺人行為などが発生するリスクも高まると指摘。
さらに、「世界で見ると、疾患全般の4%がアルコール摂取によるもので、たばこや高血圧と同水準の疾患や死亡を引き起こしている」と述べた。
たばこによる疾患は全体の4.1%、高血圧によるものは4.4%。
教授は、「アルコール摂取は、世界的に大きな健康問題となっている。特に、裕福になりつつある途上国と、工業国では重大な問題だ」と語った。
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●アルコールと痛風の関係を究明したハーバード大チェ・ヒョンギュ博士 |
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一般的に酒を全く飲まない男性に比べ、1日50グラム以上の酒を飲む男性は2.5倍、1日30〜50グラムの酒を飲む男性は2倍、1日15〜30グラムの酒を飲む男性は50%、1日に10〜15グラムの酒を飲む男性は30%痛風にかかる確率が高くなると明らかにした。
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●戦後の高度成長期に酒類の消費は飛躍的に上昇した。 |
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その結果、アルコール依存症は220万人となり、死亡、離婚、失職が増加し、そのほか飲酒運転、傷害事件などの社会問題が生じた。最近、イッキ飲みによる死亡、酒乱家庭の子の人格障害、青少年や老人と女性飲酒者の増加が注目を浴びている。
本年7月、厚生省はわが国のアルコールによる年間死亡者は3万人弱、アルコールの飲み過ぎによる経済的損失は、年間6兆6千億円以上という驚くべき数字を発表した。後者は酒税2兆円のなんと3倍以上である。
<1993年10月15日毎日新聞より>
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●お酒で嫌な思いしてませんか/酒害、初の全国調査/厚労省 |
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酒の飲み過ぎで体を壊したり、酒乱で家族や他人に暴力を振るうなど、社会にはびこる「酒害」の実態をつかむため、国立療養所久里浜病院の樋口進臨床研究部長を主任とする厚生労働省の研究班が三十日までに初の全国調査に乗り出した。
「百薬の長」のイメージの陰で、長引く不況を背景にアルコール依存症の増加が懸念され、飲酒運転、イッキ飲みによる急死なども深刻化している。厚労省は、調査結果を参考に酒に寛大な"酔っぱらい天国"返上を目指す。
調査は本年度中に、無作為に選んだ全国の成人男女三千五百人を対象に実施。調査員が戸別訪問し、飲酒の頻度や量、家庭環境、就労状況、肝炎やがんの病歴などを尋ねる。
さらに依存症かどうかを診断するための質問を行うほか、「酒で大切な人との関係にひびが入った」「家族の飲酒で嫌な思いをした」など生活上の影響も詳しく調べ、二○○五年春に報告書をまとめる。
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●飲酒国家日本/過ぎれば精神障害も/認識したい「薬物」の一面/潜在するアルコール依存症<1997年2月21日> 朝刊 1版 オピニオン5面(木曜日) |
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大量のアルコール消費国であったフランスやイタリアなどの国々でも近年、大幅に消費量が減少している。そんな中で、日本は増え続ける。テレビ、雑誌などによる広告や対人関係でストレスが多い、といった社会背景もあってのことであろうか。飲酒層も老若男女、とりわけ女性層、老人層の増加が目立つ。
ビールで大瓶六本、ウイスキーだとダブルで六杯以上を毎日飲む人を大量飲酒者という。平成五年で二百三十四万人いるとされ、そのうち何万人かが飲酒コントロールを失うアルコール依存症へと進行していくのは間違いなさそうだ。
依存症は家庭不和、失職、事件・事故、身体疾患、社会的信用の失墜を招く。
「内科治療でまた飲める体に戻してくれるだけの一般病院の入退院、家族が困り果ててただ収容するだけの精神病院への入退院」を何十回繰り返すか分からない。
それでも本人や家族にこの病気の恐ろしさや回復はあっても治癒はない、という認識がない限り、確実に待っているのは死(凍死、事故死、自殺も多い)か、飲めない環境に置くこと、つまり精神病院や施設などに入るしかない、と言っても過言ではない。
いつかは終止符を打たなければならない家族の尻(しり)ぬぐい状態(本人の不祥事の後始末)は、共依存という家族もまき込むことになり、専門家や自助グループ(断酒会など)を介さないでは、解決の糸口はなかなか見えてこない。
ちなみにアルコール依存症者の平均寿命は五十二-五十三歳。またアルコール乱用による社会的損失は、年間六兆六千億円と推定されている。
一般的に、アルコール中毒者はだらしない、意志が弱いといった偏見や誤解が根強い。米国のフォード元大統領夫人のように「私はアルコール依存症です」と公言できる人は少ない。従って治療の場面に登場させるのを遅らせているといえよう。
この病気は、意志や性格にはほとんど関係なくかかる。大変有能な人も例外でない。芸能人や作家にも依存症で亡くなった人は多い。
無礼講という特別枠を用意せざるを得なかった、つまり本音の付き合いが酒という媒介を通してしかできないわが国の民は、酒の席での失態にも寛容になる。実はそれが酒の問題の深刻さを気づかせにくくしている。いまだにイッキのみ(のませ)による被害者も後を絶たず、過去十年間で六十七人死亡という報告もある。
幸いに徐々にではあるが、企業の中にも酒害予防教育に着手する動きがあり、厚生省も酒類自販機の撤廃方針を示した。
何かと飲む機会の多いこの時期、体質的に飲めない人、飲まない人の立場を同席者は十分尊重し配慮してほしいと思う。一杯を勧めたつもりが、取り返しのつかないことになる場合もある。勧めた人にもその責任の一担はあるが、結局本人に全部ふりかかってくる。
何の抵抗もなく飲用しているアルコールだが、身体面、精神面に障害をひき起こす「薬物」であるということを私たちはもっと知るべきである。(兵庫県高砂市西畑三ノ一ノ二-四〇八、精神科ソーシャルワーカー=投稿)
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●[視座]/仲村永徳/断酒会/支え合って地域で活動
<1999年4月1日> 朝刊 1版 オピニオン4面(木曜日)
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県内十八番目の断酒会として、三月十九日豊見城断酒会が結成されました。金城豊明村長はじめ約百人の関係者が集い記念式典が挙行されました。
この一年間県断連は全日本断酒連盟第十四回九州ブロック大会を担当したり、久米島断酒会を発足させたり非常に多忙な一年でした。断酒会の力強い活動にはいつも感銘を覚えます。
アルコール依存症は、かつては「慢性アルコール中毒」とか「アル中」と呼ばれていた病気で、現在はアルコール依存症と呼ばれています。
「このへんでやめておこう」と思ってもなかなかブレーキが利かないという「飲み方のコントロール」が利きにくくなる病です。飲酒欲求が亢進(こうしん)する精神依存、飲まないと手が震えたりする身体依存や酒量が増える耐性が備わってきます。
そのためアルコール依存症を中心とした個人の問題、夫婦や子供の家庭問題、怠業や失業などの社会的問題など多くのアルコール関連問題が出てきます。
アメリカ、フランス、日本でもアルコール関連問題に要する費用は、酒税の三倍と膨大な額だといわれています。慢性疾患の糖尿病が文明病といわれるように、アルコール依存症も文明社会を悩ませている病気の一つです。
特に大酒家に発病率が高く進行性の慢性疾患です。ビジネス、付き合い、ストレスなどと理由のいかんを問わず何年間も飲み続けると、知らず知らずだれもが罹(かか)りうる病気です。女性と若年者の飲酒人口が増加し、アルコール依存症も増加傾向にあるのが最近の特徴です。
昭和六十年厚生省発表では、少なく見積もっても二百二十万人のアルコール依存症者がいることが分かりました。アルコール依存症はごく一般的な病気です。従来、アル中というと飲んだくれのホームレス、暴力を振るうロクデナシで自分と関係がないと思っている人が多かったと思います。
この病気が、あまりにも日常的な飲み物である「お酒」に含まれている薬物エチルアルコールの乱用から起こるために、手が震える、仕事ができなくなるなど、はっきりした症状が出るまでは分かりにくいのです。
しかし、症状が出てきても本人の自覚が得られるかというと、むしろ「自分は病気でない。アル中ではない」と病気の存在を否定します。そのため、「否認の病」といわれています。
間違った病識を持ち、不思議なことに、他の病気と違って自分にない症状を探し、飲酒を合理化し飲み続けようとします。「自分は手は震えない」「暴れない」「仕事はしている」などです。
この否認は、「飲んでない」とうそを言ったり、飲まない約束を簡単に破ったり、飲酒を人のせいにしたりしてさまざまな問題行動の形をとって表われます。
しかしその否認の背景には、飲酒欲求の亢進、ブラックアウトといわれる健忘、酒なしの生活が考えられない、依存症への誤解と偏見、病気の自覚がないなどの要因があります。
そのため十-二十年にわたって家族もこの病気に巻き込まれていくため、「アルコール依存症は家族の病気」とも呼ばれています。この否認をいかに突き崩し、正しい病識を持ってもらうかが回復にとって大きなカギになります。
従って、慢性疾患であるアルコール依存症治療には家族も含めて三、四年と長期間かかります。病院での入院を含めた治療は、アルコールを抜き、諸臓器を治療しアルコール教育をする救急処置であり、断酒するための準備期間です
「断酒会やAA(匿名者の断酒会)なくしてアルコールの治療も回復もない」と言えるほど断酒会の存在は重要です。互いに支え合って、生活の場で断酒し続けるには地域断酒会がぜひ必要です。
「市町村に断酒会を一つずつつくる」ことを県断連は目標にしています。県内各地で活動中の断酒会、AAや家族会の皆さまの今後のご活躍を祈念いたします。
なかむら・えいとく 1969年長崎大学医学部卒業。長崎大学精神神経科、山口県防府中央病院、五島中央病院を経て81年沖縄県立精和病院勤務。96年沖縄県立総合精神保健福祉センター勤務。「沖縄シャーマニズムと精神科臨床」で学位取得。主に、アルコール症治療にかかわり、県断連顧問。
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●断酒で新しい人生を/インタビュー/玉城幸子さん(県断連家族会会長)/依存症は家族を崩壊/交流広げ、悩み吐き出す
<1997年1月24日> 夕刊 1版 くらし(3) |
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「アルコール依存症についてもっと皆が考えてほしい」と語る玉城幸子・家族会会長
アルコール依存に苦しむ夫らを支え、家族として酒害者とともに回復することを目的に、県断酒会連合会の家族会が昨年十一月発足した。県断連を組織する十六の断酒会中、現在家族会があるのは沖縄、那覇、南部の三会。これら三会をまとめ、家族会としての活動を充実させていこうとする玉城幸子・家族会会長に活動の抱負などについて聞いた。
<県断連家族会の発足にはどういう意義がありますか。>
私自身、夫の酒害に巻き込まれ自分は被害者と思っていた。だが家族会(南部断酒会家族会)に参加して、加害者でもあったと知った。普通の人になってほしい一心で、飲むなとしかったり、酒を取り上げたりしていた。酒を飲まずにはおれない原因を知らず、一方的に相手を追いつめるようなことがあったと反省しました。家族はひたすら悩んでいる。アルコールの被害は、家族ぐるみ、親戚ぐるみで巻き込まれます。病気を知り、家族も同じように立ち直らないと断酒の応援はできないし、新しい家族にはなれません。家族会の重要性を痛感します。
<三つの家族会ではどのような活動をしているのですか。>
断酒会の例会に家族も一緒に参加し、酒害者を追いつめたことや苦しかった体験を話す。話すことによって、皆同じような道をたどっているのを知り、励まし合える。夫や息子の断酒に協力しながら、自分自身の心の回復を目指します。
家族会としても月に一回、家族だけで体験を話し合い、依存症について勉強する。恥ずかしいとか、自分ひとりの悩みと思っていたことが、病気であると知るようになる。酒をやめるだけじゃなく、家族として新しい生き方を探るという前向きな考え方でやっています。
<玉城さんが断酒会、家族会に参加して感じたことは何でしょう。>
皆さんの話を聞いてまず、酒害の恐ろしさがよく分かった。またそれまで悩んでいたことを隠していたが、その悩みを吐き出すことができ、安心し余裕ができた。
飲んでいる時は大変だけど、酒をやめた夫は立派なものだと思えるようになった。好きな酒を止め、新しい人生を歩み始めた人たちを素晴らしいと思えるようになった。自分も苦しかったけど飲んでいる人も苦しかったのだと理解できるようになった。
底辺、どん底の生活を味わった人たちが一生懸命頑張っている姿を見ると頭が下がる思いです。しょんぼりして涙ながらに話していた人が話すうちに明るくなっていく。断酒会の不思議な魅力を感じる。本当にこの人たちが酒を飲んでいたのかと思うくらい、みなさん輝くようになる。
<県断連の家族会の課題を教えてください。>
二年前に亡くなった夫は生前、立ち直れたのは会のおかげだと言っていたし、私自身も会のおかげで立ち直れたと思う。今年は組織づくりに力を注ぎたい。各断酒会に家族会をつくりたいし、家族会同士の交流も深めたい。断酒会や家族会にかかわらず酒害に悩む人も大勢いると思うが、病気という認識ができれば、むしろ安心して会に来てくださると思う。誰もが最初からのんべえではなかったはず。飲んでいる時はマイナス面しか見えず、過去のよかった点は忘れてしまう。そして相手を追いつめてしまう。アルコール依存症は家族の崩壊にまで行き着いてしまうこわい病気だが、立ち直れば元のすばらしい家族に戻ることができる。断酒会の中には、「アル中になってよかった。新しい人生を発見できた」と言う人も多い。飲んでる時は地獄だけど、新しい人生は極楽とも言われる。一人で悩まず参加してほしい。
<行政などに対する要望などはありますか。>
職を離れてしまったりして生活が苦しい酒害者、家族が多い。断酒会の県外研修などに派遣したいけれど余裕がありません。行政の方には、そのような機会に積極的に参加できるようバックアップしていただければと思います。
沖縄は特にお酒天国だと思う。依存症になる若い人も増えているし、働き盛りにストレスが原因で酒に頼ってしまう人も多い。社会全体が依存症について真剣に考えてほしいと思っています。
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第58回WHO総会 決議26 2005年5月25日
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議題13.14
アルコールの有害な消費により引き起こされる公衆衛生の諸問題
第58回世界保健総会は、以下に述べる認識の上で決議を行なう。
過去の総会決議の再確認。すなわち第32回・決議40(アルコール関連問題に関するWHOプログラムの作成)、第36回・決議12(アルコール消費と関連問題:国の政策とプログラムの作成)、第42回・決議20(ドラッグ及びアルコール乱用の予防とコントロール)、第55回・決議10(メンタルヘルス:対策への要請に応える)、第57回・決議10(交通安全と健康)、同・決議16(健康増進と健康的なライフスタイル)、同・決議17(食事・運動・健康についての世界戦略)。
世界健康リポート2002によれば、全世界の疾病の4%、死亡の3.2%がアルコールによるものであり、またアルコールは開発途上国(死亡率の低い)では筆頭の、先進国では第3番目の、健康へのリスク要因であること。
アルコール消費のパターン・状況・全体量は人々の健康に影響を与え、また有害な飲酒は疾病・ケガ・暴力(特に家庭内での女性と子どもへの暴力)・障害・社会問題・若年死の最も大きな背景であり、精神疾患とも関連し、個人・家族・地域・社会全体の福祉にとって深刻な影響を及ぼすばかりでなく、社会・健康上の格差を広げるものとなっていること。
アルコール消費が負の結果を招くリスク、中でも自動車の運転、職場、妊娠中については、そのリスクを強調しなければならないこと。
アルコールの有害な使用による健康問題の広がり、危険な飲み方の流行(特に若者の間)が、多くの加盟国で危惧されていること。
アルコールによる酩酊は、他の精神作用物質の使用や安全でないセックスなどリスクの高い行動を招くこと。
アルコールの有害な使用が招く社会的損失、つまり医療コスト、社会福祉と矯正制度のコスト、生産性低下と経済発展の阻害などが懸念されること。
いくつかの加盟国においては、アルコール飲料がいつどこでも容易に入手できる傾向が増し、人々の健康にとって脅威となっていること。
アルコール関連の害を減らすための戦略と手法につき、有効性の検証が積み重ねられていること。
アルコール消費という問題につき、個々人が前向きに生活を変える決断を自身で行なう力を培うべきこと。
かなりの数の加盟国はアルコール消費にからむ固有の宗教・文化的感覚を持つことを考慮の上、この決議における「有害な」という言葉は健康上の影響に限った意味であり、宗教的信念や文化的常識への偏見をいかなる意味でも含まないこと。
1.加盟国への要請
(1)アルコールの有害な使用による健康と社会への負の結果を減らす有効な戦略とプログラムを、開発、実施、評価すること。
(2)アルコールの有害な使用を減らすため、科学団体、専門団体、非政府組織やボランティア団体、民間セクター、市民組織や企業など、関係するあらゆる社会・経済団体の協力を引き出し、積極的で適切な関与をうながすこと。
(3)事務局長に要請される以下の作業について、必要に応じ、関心を持つ加盟国が自発的に支援すること
2.事務局長への要請
(1)加盟国によるアルコール関連の害のモニタリングを支援し、政策の有効性を科学的・経験的に実証していくよう後押しするため、事務局の機能を強化すること。
(2)アルコールの有害な使用による健康上の問題を減らすため、国際的な協力を強めることを考慮し、世界・地域レベルで必要な支援を引き出すこと。
(3)アルコールが人々の健康に影響する可能性があるさまざまな側面について、さらなる科学研究を行なうことを考慮すること。
(4)第60回総会(2007)において、アルコール関連の害を減らすための証拠に基づく戦略と介入を、有害な使用により引き起こされた健康問題の総括を含めて、報告すること。
(5)アルコールに関連する害を減らすための有効な政策と介入についての勧告を作成し、その戦略とプログラムを加盟国が実施・評価するのに役立つ技術的ツールを開発すること。
(6)アルコール消費と、それによる健康・社会上の結果についてのデータをさらに収集・分析するため、世界および地域の情報システムを強化すること、そのため加盟国に技術的支援を提供し、データがない分野についての調査を促進すること。
(7)ヘルスケア分野でアルコール問題を発見し処遇を行なえるよう、またアルコール消費の有害なパターンにより患者が抱える問題にヘルスケアの専門家が対処する能力を高めるよう、世界および地域での活動を促進・支援すること。
(8)有害なアルコール消費を減らす効果的な政策とプログラムの実施を促進するため、加盟国、政府間組織、保健の専門家、非政府団体および他の関連団体と連携すること。
(9)有害なアルコール消費による健康への影響を食いとめるため、製造企業・農業・販売部門の代表と公開で協議する場を設けること。
(10)この決議の実施の進捗状況につき、理事会を通じて第60回総会に報告を行なうこと。
第9本会議2005年5月25日
第58回総会<WHO/世界保健機構>http://www.who.int/en/
WHO神戸センターhttp://www.who.or.jp/indexj.html
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